スタバも待ち時間ゼロに!加速するアプリ決済・無人レジ。店舗テクノロジーの今に迫る

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昨今、実店舗でのデジタルテクノロジー活用は急激に進んでいる。若者に限らず、今や所持していることが当たり前となったスマホを用いたテクノロジー開発は特に活発で、様々なサービスが世の中に登場している。

実店舗でのデジタルテクノロジー活用、特にスマホを利用したテクノロジー活用事例を紹介するとともに、それらのサービスが抱えている問題について触れる。

 

スターバックスも起用。スマホ活用で待ち時間をゼロに

先日(2019年6月26日)、コーヒーチェーン大手のスターバックスが専用アプリから事前注文・アプリ内決済を行い、店舗で商品を受け取れるサービス「Mobile Order & Pay」を日本で開始した。(現在サービスに対応しているのは都内56店舗のみ)

スターバックスプレスリリースより)

これは多くのメディアで取り上げられ、話題となっているサービスであり、アメリカやイギリス、中国、韓国などの諸外国では以前から導入されていた。アプリからの注文であるが、スターバックス独特のミルクの変更やホイップクリームの追加、シロップの追加など細かいカスタムサービスに対応していることや、店舗での待ち時間がなくなることから、非常に注目を集めている。

(Mobile Order & Payの利用画面:スターバックスプレスリリースより)

スターバックスはこれまで実店舗でのサービスを長年続けてきた企業で、今回のアプリを活用したサービスは、注文や決済に手軽さを与えるだけではなく、待ち列の解消という実店舗の現場にも良い効果をもたらすことが期待される。

スマホを活用したコーヒー販売を行うのはスターバックスだけではない。東京日本橋にある「TOUCH AND GO COFFEE」はLINEからコーヒーの注文ができる。

TOUCH AND GO COFFEEの特徴は、現在東京日本橋に1店舗しかないが、出店時(2019年6月5日)からこのサービスを導入していたところだ(店頭注文も可能)。

さらに、LINEから注文したコーヒーの受け取りが店舗のカウンターではなく、店舗内にあるロッカーであることも、注目される要因となっている。

(コーヒーを受け取る店内ロッカー:ニコニコニュースより)

(指定のロッカーを開けると自分が注文したコーヒーが入っている:ニコニコニュースより)

「Mobile Order & Pay」だけでなく、「TOUCH AND GO COFFEE」もその特性から店頭での待ち時間を解消することができる。待ち時間・並ぶ時間の解消という点で、店舗によるスマホやアプリの活用はとても効果的であり、その活用は飲食店だけに留まらない。

東京ディズニーリゾートでは、アトラクションの待ち時間を短縮するためにファストパスと呼ばれる整理券を配布している。これまでは、実際のアトラクション付近に置かれている発券機からしかファストパスを発券できなかったが、2019年夏よりスマートフォンでファストパスが発券可能になる。従来通り、発券機でのファストパス発行も行われるが、アプリを活用することでより簡単にファストパスを手に入れることができるのは、ディズニーリゾート・来場者ともにメリットがある。


無人レジは当たり前!時代は会計レスへ

店舗テクノロジーの代表例として、無人レジ・無人コンビニが挙げられる。昨年、AmazonGOが一般向け店舗の第一号を出店したことで話題を呼んだため、ご存知の方も多いだろう。

(シアトルにあるAmazonGO:ウィキペディアより)

AmazonGOとは、スマホ1台でレジを通ることなく買い物ができるコンビニだ。専用アプリをダウンロードし(Amazonアカウントの登録が必須)、発行されたQRコードをゲートに読み込ませて入店。商品を手に取っていくだけ。すると、店内に設置されたカメラやマイク、棚に設置されたセンサーによって自分が手に取った商品が認識され、スマホ上に表示される。もちろん一度手に取ったがその後棚に戻した商品は、その動きをきちんと認識され、カートの中には入らない。商品を選び終え、店を出るとAmazonアカウントに紐づけたクレジットカードから自動で会計が行われる。

AmazonGOの最大の特徴は、店内で会計行為自体を行わなくて良いところだ。

AmazonGOは日本出店をまだ果たしていないが、国内でもこれに近しい技術開発は進んでいる。2017年、JR東日本とサインポスト株式会社が共同し、JR大宮駅・JR赤羽駅で会計レスコンビニの実証実験を行った。ここではAmazonアカウントの代わりに、入店時の個人識別にICカード乗車券Suicaが用いられた。

サインポスト株式会社の会計レス技術はまだ実験段階であり、AmazonGOも日本未出店であるが、これの前段階として無人レジシステムは国内でも普及しつつある。

 

無人レジには、ID情報を埋め込んだタグを商品に取り付けておき、レジでその情報を読み取るタイプと、画像認識によって商品を判別するタイプがある。ID情報を埋め込んだタグを読み取るタイプでは、主にRFIDと呼ばれるタグが利用されており、無人レジに商品を持っていくと自動でタグを読み取り、会計ができる。こちらの技術はユニクロやGUで導入されている。

(左の台に商品を乗せると商品情報を読み取ってくれ、右側に値段が表示される:インサイトパズルより)

 

画像認識によって商品を判別するレジは、先ほど挙げたサインポスト株式会社が開発した技術で、コンビニエンスストアのポプラで導入されている。

(商品を乗せると画像認識によって会計ができる:日経クロストレンドより)

 


LINEを活用したサービスを提供する企業も

これまでは、特定の企業が独自で活用しているサービスについて言及してきたが、先に挙げたような店舗で活用できるサービスを提供している企業もある。

株式会社GENEROSITYは、紙の招待状をデジタル化したデジタルインビテーションサービス「WECALL」を提供している。これはLINEを活用したサービスで、イベントの招待状やイベントのコンテンツ紹介、会場までの地図やドレスコードなどをLINE上のチャットで伝えることができる。また、LINEを通じてイベントの様子をリアルタイムで伝えることもできる。

6月6日から7月28日まで中目黒で開催されているボディケアブランド「SAVON」のポップアップストア「EAU de SAVON POP-UP STORE“MY SALON”」にもWECALLは導入されている。

(SAVON公式LINEで導入されているWECALL利用画面:PRtimesより)

他にも、Uberが展開するオンラインフードデリバリーサービス「Uber Eats」は、宅配サービスを行っていない飲食店に宅配サービスをもたらしてくれるものだ。飲食店はUber Eatsと提携を結ぶことで、Uber Eats上からオーダーが入り、配達員が店舗まで商品を取りに来、注文先へと配達してくれる。

宅配サービスを始めたいけど人員が足りない、あそこの料理を家で食べたいけど宅配サービスがやっていないという飲食店・ユーザー両方の願いを叶えてくれるサービスとなっている。2018年時点で世界250都市で利用可能となっており、世界中で広く利用できるのも魅力だ。


高度なテクノロジーがもたらす格差社会に危機感も?

先に述べたテクノロジーはどれも便利なものであるが、問題も抱えている。それは、テクノロジーの進歩によって様々な格差が生じることである。

 

例えば、スマホを持っていないユーザーはどのサービスも利用することができない。これは特に世代間での格差を生む要因となる。昨年、20代のスマートフォン所有率は約95%に到達し、30代でも92%を超える所有率となったが、60代・70代では60%代に留まり、80代では50%を下回っている。(総務省平成30年度版情報通信白書より)スマートフォンの所有率だけでなく、若者に比べてお年寄りは急速なテクノロジーに置いていかれてしまうのも現状だ。本記事で紹介した以外にも、スーパーなどでセミセルフレジ(店員が商品の読み取りを行い、支払いのみセルフで行うレジ)は普及しているが、それらのテクノロジーを利用することに抵抗を覚えるお年寄りもいる。

(2019年1月19日、毎日新聞朝刊より)

また、都市部と地方で開く格差もある。先に述べたスターバックスの事例やTOUCH AND GO COFFEEの事例では、国内では東京の一部地域でしか利用ができない。Uber Eatsも東京や大阪などの都市部では普及しているが、やはり地方では対応していない地域が多い。

 

AmazonGOや無人レジ会計も格差を生む要素を孕んでいる。それはクレジットカードを所有していない人はサービスを享受できないという点だ。アメリカの一部の州では、AmazonGOの会計レスシステムが、クレジットカードや銀行口座を持てない人、スマホを持っていない人への差別であると問題になった。その結果、フィラデルフィアを皮切りに、AmazonGOは法令によってレジを設置し、現金支払いに対応せざるを得ないという事態が起きている。これはフィラデルフィアに限ったことではなく、ニューヨークやサンフランシスコ、シカゴといった都市も同様の法令の導入を検討している。

 

高度なテクノロジーが我々の生活を向上させることは間違いないが、限られた人の生活を向上させるだけに留まっているテクノロジーには未来がない。より多くの人が享受できるテクノロジー開発が今後求められる。

 

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