こんにちは!ライターのほし(@chanwatac)です。

突然ですがみなさんは学生時代、苦手な科目はありましたか?

名称未設定-1ドッジボールで狙われすぎて、スポーツマンシップに疑問を持ち始めたのは中2の時です。
名称未設定-1音楽のテストで歌った「A Whole New World」が、あまりにも独創的でその日からあだ名が『ニューワールド』になりました。

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人それぞれコンプレックスはあるかもしれませんが、私にとってはそれが「数学」でした。毎日塾にこもってひたすら数式と向き合った結果も虚しく、テストではいつも赤点。

しかーしっ!!!
大人になった今、そんな日々が嘘だったかのように、難なく生活できてしまっている。特にライターという仕事では、日常の中であの時苦戦していたような数式に触れることはほぼありません。

「結局、数学って全然使わないじゃん…」

「もしかしてあれはただ試験のためだけの勉強だったんじゃ…?」

どうにもこうにも悶々と考え出して止まらなかったので、直接専門家に聞いてみることにしました!

 

結局、数学って将来役に立ちますか?

今回の疑問に答えてくださったのは、数学者の畠山仁男(はたけやまよしお)先生。

畠山先生

■畠山仁男先生

大正大学 心理社会学部人間科学科 兼 教育開発推進センター 准教授。
東京理科大学 理学専攻科数学専攻修了後、中学校・高等学校の数学科の教諭に。なんと31年間も数学を教えていらっしゃいます!

 

早速質問してみることに

畠山先生取材

ほし:先生あの、その道を極められている方に聞くのはとても恐縮なんですが…実際、数学って私のような職業的に使わない大人にも必要なものなんでしょうか。

先生:うーん、まあ好き嫌いはあるからね。人それぞれ個性としてあっていいと思うんですけど。

畠山先生取材

ほし:じゃあ必要ない?ないんですか!?

先生:いや、そもそも必要かどうかの疑問になっちゃうのが僕としては違うんですよ。

ほし:じゃあ質問を変えて……先生は日常のどういう場面で数学が役に立っていますか?

先生:それは、僕たち数学の教員でもそういう意識がないんだよね。

だって数学って人間が人間であるために必要なことだからね。

畠山先生取材

ほし:……

先生:みんなの認識として、数学が試験や就職に必要だという考えがある。人生のあらゆる試験を通過するために使う道具としての数学。これはありますよね。

ほし:はい、それは自分も大変苦労してきました。

先生:でも数学の本質はそういうことではないんですよ。

例えば、生きるのに必要なお金の計算。今の銀行の普通預金の金利って何%かわかる?

ほし:(パソコンカタカタカタ)約0.001%ですね。

先生:じゃあ10万円預けたら1年後にいくらになるのか。

(サラサラサラ…)10万1円だね?

畠山先生取材

ほし:ほおおお。

先生:ところが、この利息に対して税金が20%かかるから

(サラサラサラ…)つまり10万円80銭。

ほし:おおおおお。

先生:こういうこともできちゃう。

じゃあ、お金を借りたらいくらになるかな。あるローンの金利が4%としますよね、そこで3000万円借りたらどうなる?

畠山先生取材

ほし:え、えーっと…

先生:(サラサラサラ…)単純計算で、1年後には3120万円返さないといけない。

ほし:そんなに!?

畠山先生取材

先生:そう、こういうことも頭の中でぱっとできたら、お金を使うにしても色んな計画が立てられるでしょ?

ところがみんな、この%の計算が本当に苦手なんだよねぇ。僕は学生たちにそれを簡単にできるようにしてあげたいと思っているんですよ。これも全部数学だから。それから、地球の自転の速さってわかる?・・・・・・

畠山先生取材

その後も、

・三桁の計算を素早くするにはどうする?
・セールの時の◯◯%offってどうやって計算するの?
・距離と時間の関係は?
・お金の貸し借りで発生する損はどれくらい?
・宝くじの当たる確率ってどう計算したらいいの?

たっぷりと数学を浴びた。ちなみに、その時に先生が残したメモがこれである。⬇

畠山先生メモ
(私があまりにも物分りが悪いので、とても優しくひとつひとつ丁寧に説明してくださいました)

ほし:正直、数式にするとまったく分からなくなるのですが、自分の日常に数学がめちゃくちゃ絡んでいるということは理解できました。

でもこれ、全部電卓で計算できますよね?

先生:もちろん電卓で計算できればいいですよ。僕も電卓使うから。

でも%の計算を電卓でするにしても、1%が0.01であるということが分かっていなきゃ困るから、もうこれがすでに数学の知識なんですよ。

みんな何が数学かなんて意識して生活しているわけじゃないから、わからなくなっちゃうけどね。でも無意識でたくさん使っている、そこで将来数学って役に立つのかと聞かれたら…

ほし:とんだ的外れですね、私。

畠山先生取材

先生:もちろん、「二次方程式の解の公式」や「三平方の定理」なんて使わないじゃないかと言われたら、それはごもっともなんですよ。たしかに日常では使わないですからね。

でも、論理的に考えるという面では、そういうものを勉強するのも非常に役には立っている。たとえば、「1」と「10」。このふたつの数の違いってなんだと思う?

ほし:数が多いとか?

先生:そう、数が多いですよね。だから「1」と「10」は違う。

「違う」という答えに対して、理由を考える。これも数学の導き方なんですよね。

 

ズバリ、解説しよう!

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算数は「1+1」の計算をするもの。
それに対して数学は「1+1=2になるのはなぜか」を考えて説明するもの。

・10万円のパソコンを3年以内に欲しいので、毎月3000円ずつ貯金することにした。
なぜ?→3年で108000円貯まるから。 

・電子レンジを使ったらブレーカーが落ちた。
なぜ?→電気の使用量がブレーカーの容量を上回ったから。

・ブレーカーを落とさないためにコンセントからどれか外したい。
携帯電話の充電器と比べた結果、ホットカーペットを外すことにした。
なぜ?→携帯電話の充電の方が電気を使うから。

・アメリカに旅行に行きたいからパスポートを取得した。
なぜ?→海外に行くためにパスポートは必須だから。

この「なぜ?」の部分を導いていく、すなわちこれが数学的考え方なのです!

畠山先生取材

ほし:「比べて答えを出し、根拠を考える」これも数学ということか…

いつも無意識に比べて、最適な行動を選んでいるのかもしれません。

先生:そう。比べるというのは、日常の中で避けられないことですよね。

畠山先生

ほし:数学ってただ計算することだと思っていました。考え方を学んでいた意識は全然なかったな…

先生:結局は、「総合力」ということになるのかな。

日常の中に数学も国語も社会もある、それをみなさん意識せず、得た知識を使って生きているんですよ。

ほし:どれが欠けてもダメということか。中高生時代に悩みながら勉強してきたこと全て、無駄ではなかったんですね。よかったー!!

 

というわけで、将来数学が役に立つかというと

畠山先生取材

そもそも数学はそういう次元のものじゃないが、生きている以上は役に立っている。(ドドンッ!)

 

おまけ

畠山先生取材

今回の取材で、たくさんの数式を教えてもらい、そのひとつひとつ全て理解できるように教えてくださった畠山先生の根気強さに感激しました(中高生の頃に教えてもらいたかった…)。

実は、畠山先生が教えられている大正大学は文系大学のため、数学自体に拒否反応を起こしてしまっている学生さんたちに教えることは日常茶飯事だそうです。先生って本当に大変だ。

畠山先生、ありがとうございました!